ちょっと過激な言い方になりますが、一言でいうと「大学にとって都合のよい人をとる方法」です。
都合のよい人とは誰でしょうか?
具体的には下記のようなことが言えます。
- 学費を4年間払ってくれる人。あわよくば大学院まで行ってくれる人
- きちんと勉強をし、すごい研究をしてくれる人
- 問題を起こさない人
- 良い就職先に行ってくれる人
- 有名になってくれる人
です。
なんでそんなことが言えるのでしょうか?
まず前提を考えてみましょう
1.大学は学校であり、学校経営を行っている
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大学といえども学校です。経営を行っています。
どんなきれい事を言おうとも、崇高な教育方針を掲げようとも、赤字経営であれば銀行もお金を貸してくれません。
良い先生も来ませんし、設備も古いままです。宣伝もできません。
これでは大学はつぶれてしまいます。
したがってどの大学も生徒=お客さんに来てほしいと思っています。
2.とは言え大学は学校です。
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生徒が来れば何をしてもよいのか?ということではありません。学長が逮捕されたり、偽装留学生であふれかえっている大学もあります。
このような大学は遅かれ早かれ文部科学省から指導が入りますし、悪いうわさが立って学校経営が立ち行かなくなります。
上記のような「大学に都合のよい」人がたくさん来てくれれば、学校経営も楽ですし、良い意味で有名になり、人が集まり、さらに優秀な人を生徒として獲得することができ、良い就職先にみんなが就職し、さらに学校の人気が出て・・・と、良いスパイラルに入り込めます。
でも、ここで大学側には大きな問題があります。
一般入試で合格した人=上記のような人ばかりではないのです。
なぜなら一般入試で合格した人は「試験で点数が高い人」なのです。
試験で点数が高くても、学費を払ってくれるとは限りませんし、すごい研究をしてくれるかどうかわかりません。問題を起こす可能性もありますし、学校を有名にしてくれるとは限らないのです。
そのうえ一般試験で少しでも点数の調整をしようものなら、コンプライアンスで学校の名前が悪いほうで有名になってしまいます。
また一般入試の問題がしょぼいと、これもこれでたたかれてしまいます。
つまり一般入試では必ずしも大学が望む人をとれるとは限らないのです。
総合選抜であれば、一般試験と異なって採点基準は大学に一任されていますし、正答はありません。
別の言い方をすれば総合型選抜入試=大学が求める生徒を入学させることができる試験といういうことができます。
これが大学側から見た総合選抜試験の最大のメリットなのです。